PICASSOシステムの概要

 

1. PICASSOの初期記述

PICASSOでは、顔データをN個の座標値(Xi, Yi) (i =1, 2, 3, … , N)で記述し、これらを直線で結んで線画として表示する。

似顔絵を生成するための基本は次の通りである。まず、平均的な顔画像(平均顔又は基準顔)を用いることによって入力顔とのズレの部分、すなわち個人性特徴を抽出する。次に、それを誇張して似顔絵を生成する。これが似顔絵生成システムPICASSO (Project for Intelligent CAricature Sophisticated System-One)の基本となる考え方である。

PICASSOシステムの根幹は、上記の通り「平均顔」を用いて個人性特徴が抽出できるとしている点と平均顔とのズレを「中割り法」で誇張すると、似顔絵が描けるとしている点の2点に要約できる。

PICASSOの顔データは、図1に示すように与えている。ここでは、頭部を顔と髪に大きく分け、顔を目、鼻、口などの7部品に、また髪を髪の輪郭と生え際の2つの部分に分けるなどして階層的に表現している。表1に示すのは顔部品要素の名称とサンプル点数である。

図1. 顔データの要素図形

表1 要素図形の名称とサンプル点数

No.顔の要素点数 No.顔の要素点数
0付加部品100 19上唇の上辺13
1左の虹彩9 20上唇の下辺13
2右の虹彩9 21下唇の上辺13
3左まぶたの下辺5 22下唇の下辺13
4右まぶたの下辺5 23顔の左辺5
5左目の下辺5 24顔の右辺5
6右目の下辺5 25左の耳13
7左目の上辺5 26右の耳13
8右目の上辺5 27あご21
9左目の下のしわ5 28髪の生え際25
10右目の下のしわ5 29髪の輪郭25
11鼻の左辺11 30左のほおのしわ5
12鼻の右辺11 31右のほおのしわ5
13左の鼻孔11 32左のほお骨5
14右の鼻孔11 33右のほお骨5
15左まゆの上辺11 34鼻の下の左縦線3
16右まゆの上辺11 35鼻の下の右縦線3
17左まゆの下辺7 36あごの割れ目3
18右まゆの下辺7 37あごの横線5