[13]『夏の魔術シリーズ』

(徳間ノベルズ・1988〜)

「夏の魔術」

 8月26日、天気は晴れ。能戸耕平は財政と時間が許すかぎり、目的地とてない旅を続けるつもりだった。「お兄ちゃん、ひとり旅?」。楽しげに微笑む来夢に声をかけられた時から、この大学1年生と小学6年生の奇妙なカップルは非日常的な現象に巻き込まれていく。

 「六は七なり、七は八なり、アルファはオメガなり、レヴィアタンはベヘモトなり……ミカエルはオノエルなり、獅子は驢馬なり、然して両者は2にして1なり…」。来夢が呟くこの言葉は、いったい何を意味し、二人を何処へと導くのか。

 初期キリスト教の一分派である拝蛇教を題材に、恋人以外のカップルが繰り広げるホラータッチの物語。夏に読むにはピッタリの作品です。ちなみに、来夢と耕平は田中芳樹が最もお気に入りのカップルだそうです。



[データ&関連図書]

●夏の魔術シリーズ1『夏の魔術』(徳間ノベルズ・1988年4月)

●夏の魔術シリーズ2『窓辺には夜の歌』(徳間ノベルズ・1990年7月)

●夏の魔術シリーズ3『白い迷宮』(徳間ノベルズ・1994年7月)


[BACK]