[4]『マヴァール年代記1〜3』

(角川ノベルズ・1988〜1989)<全巻文庫あり>

 大陸暦1091年。マヴァール帝国大公カルマーンは、父、皇帝ボグダーン二世を自らの手で死者の列へと追いやった。生者の中でその事を知るものは無かったが、ただカルマーンの学友であるヴェンツェルのみが、事実をほぼ正確に洞察しえていた…。知性と野心あふれる2人の戦略と政略。後に、マヴァール年代記に記される混迷と灼熱の時代の果てに、玉座に就くのはどちらの英雄か。

ハンガリーをモデルにしたという仮想の国の物語ながら、その国の政治体制や言語、特産物にまでこだわった設定や、田中芳樹らしい会話シーンの面白さが十二分に堪能できる大作です。


〔データ&関連図書〕

●(雑)『マヴァール年代記1 氷の玉座』(初出『野生時代』(1988年4月))

●(雑)『マヴァール年代記2 雪の帝冠』(初出『野生時代』(1988年10月〜12月))

●(雑)『マヴァール年代記3 炎の凱旋』(初出『野生時代』(1989年 7月〜8月))

また、マヴァール年代記関連では、

○ (雑)『マヴァール年代記1のためのオープニング』(『野生時代』(1988年4月)エッセイ)

などがあります。


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