[21]『纐纈城綺譚』
(朝日ソノラマ・1995年)
9世紀中頃、宣宗皇帝の御代。大国唐は穏やかな斜陽の道を歩みながらも、まだ威勢
を誇っていた。人の血で染めた布を作る、纐纈城の存在を遣唐使円仁より聞いた辛と
う(「とう」は、言へんにごちゃごちゃとした字。第二水準までにもない難しい字です)
と李延枢はそれを人々に知らすべく都、長安を訪れる。そこで出会った男、李績が名
君宣宗皇帝の弟であったため、纐纈城討伐を頼まれることとなる。度重なる纐纈城側
の襲撃のなかで出会った、機敏な少年徐珍と、美女宗緑雲と共に纐纈城城主を討伐す
べく旅立つ。
「宇治拾遺物語」の「磁覚(円仁)大師、纐纈城に入り給うこと」のその後を書いた
物語です。また、カバー及び本文中の挿絵は、映画「銀河英雄伝説」のパンフレット上での対談の際に交わされた約束通り、藤田和日郎が担当しています。
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