[17]『風よ、万里を翔けよ』

(徳間書店・1991年3月・B6版変)

時に隋の煬帝の治世。一人の少女が、老病の父に代わって高句麗遠征に志願した。男装をほどこした彼女は、偶然出会った賀廷玉と共に苛烈な戦へと参加する。姓を花、名を木蘭、そして偽りの字「子英」。女を捨て戦い続ける彼女は、その時、歴史の大きな流れを感じていた。

巻末の校点后記(あとがき)には、『隋唐演義』についても触れられており、現在編訳中の『隋唐演義1〜』と合わせて読むと面白さも倍増するでしょう。また、氏にとっては最初の長編中国ものであるため、その力の入れ様はすさまじく、自らが「こんなに勉強したのは修士論文以来」と語るほどの作品です。


[データ&関連図書]

●(雑)「風よ、万里を翔けよ」(初出『SFアドベンチャー』(1991年2月〜4月))


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